子どもの不眠症
子どもの不眠症の診断について
大人の不眠症と同様に、眠る機会(睡眠に割り当てられた十分な時間)や環境(安全性、照度、静寂性、快適性)が適切であるにもかかわらず、睡眠の開始と持続、安定性、あるいは質に持続的な障害が認められ、その結果、なんらかの日中の機能障害をきたす場合に不眠症と診断されます。
子どもの不眠症の症状
夜間の典型的な訴えは以下のようなものです。
- 寝付けない(入眠困難)…寝付くまでの時間が子どもの場合20分以上
- 途中で目がさめる…入眠後の覚醒時間が子どもの場合20分以上
- 朝早く目がさめる
- 就寝時のぐずり
- ひとりで眠れない
典型的な日中の障害(症状)は以下のようなものです。
- 疲労または倦怠感
- 注意力、集中力、記憶力の低下
- 学業成績の低下、家庭生活上の機能障害
- 気分がすぐれない、いらいら
- 日中の眠気
- 行動の問題(過活動、衝動性、攻撃性)
- やるき、気力、自発性の低下
- 過失や事故を起こしやすい
- 眠ることについて心配し不眠を抱いている
その他、筋緊張、動悸、あるいは頭痛といった身体症状をみとめる場合もあります。
多くの不眠症の方は日中に仮眠をとることができません。日中に頻回に眠り込んでしまう場合は、睡眠呼吸障害、ナルコレプシー、特発性過眠症などを疑います。
子どもに特有の不眠
子どもに関連する項目もありますので、大人の不眠症のページもご参照ください。
小児期の行動性不眠症
- 寝入る際、あるいは覚醒後に再入眠するまでの間に、特定の刺激(長時間揺り動かす、テレビを見るなど)、対象(哺乳瓶、摂食など)、あるいは室内環境(部屋に明かりがついている、親が部屋に残る)がないと寝入ることができない場合があります。この場合、寝入るのに必要な条件付けを再構築することで改善します。
- 就寝時にぐずる、就寝時刻に眠ることを嫌がる場合、その理由は多岐にわたりますが、「一人で寝る」「暗闇にいる」「悪夢をみる」などの不安や恐怖が原因であることがあります。また、日中に大人(両親など)が多忙でどうしても子どもとの関わりをもつ時間をとることができない、などの原因でこれらの睡眠の問題が起きることもあります。その場合、大人が大きく生活を変えることができなくても、1日5分ほどの日々の心がけで改善する場合もありますのでご相談ください。
特発性不眠症
乳児期あるいは小児期のはじめに潜行性に発症し、長年にわたり睡眠困難を訴えることが特徴です。明確な原因はなく、乳児期や小児期に生じ、まとまった寛解期間なしに持続するとされています。早期に発症し、状態は長期間変わらず、生涯にわたる臨床経過の特徴から、この生涯は、脳内の睡眠系か覚醒系、あるいは両方における遺伝的に規定された、または先天的な異常から引き起こされる障害と考えられています。
不眠と不登校
不眠と発達障害
(※全ての治療が当院で実施できるわけではありません。まずは受診の上ご相談ください。)