ごあいさつ
開院時より地域の皆様方に信頼していただける「こころのかかりつけ医」を目指し診療を行ってまいりました。地域の皆様方よりご愛顧いただき、これまで診療を続けさせていただきました。深く御礼を申し上げます。今後ともご信頼頂ける医療機関を目指し、スタッフ一同努力してまいります。
当院は、小さなクリニックであり、できるだけ患者さまのお話をお聞きして患者様に寄り添った医療を提供することを目指してまいりましたので、お受けできる患者さまの数が限られます。そのため近年は「初診が取りにくい」などとお叱りを頂いております。ご不便をお掛けし申し訳ございません。また、初診まで長期間お待ちいただいたにも関わらず、「思っていた治療が受けられない」というアンマッチが発生する場合も、あったように思います。ですので、以下に、改めて現状の当院の強みと、弱み(課題)をご説明することにいたしました。ご予約を検討される場合は参考にしていただき、よくお考えになってください。
当院の強みとしては、精神科救急を経験した精神科専門医・指導医が診療にあたっており、一般精神の疾患に対して幅広くご相談が可能です。その為、基本的に、ご相談内容によって患者様を区別しお断りすることはなく、まずは受け入れを行うことをモットーにこれまで診療してまいりました。精神疾患には、寛解を目指せる疾患がある一方で、「障がいとともに生きる」という視点が必要な疾患もあります。その方に応じたゴール、生き方をご本人とともに考えていきます。
加えて、医師は専門として、発達症(発達障害)と、睡眠障害を掲げ、専門的な研修を行ってきており、各分野の認定医・専門医を取得しております。発達症と過眠・リズム障害等の睡眠障害は併存しやすいことで知られており、重なり合った分野です。医師は、一般精神の臨床に携わる傍ら、本領域にて学会発表を行うなど、深い関心を持って参りました。両分野を横断して診療を行える点は、当院の特色と言えると自負しております。(第44回日本睡眠学会 ”発達障害治療中患者におけるPSG、MSLT検査の検討” など)
一方で、当院の弱み(課題)としては、
①設備が限られており、検査や、治療が当院で完結して行えず、ご紹介する場合があること
例:
- 睡眠診療で、入院でのPSG、MSLT検査などの検査は実施できず、必要に応じ、検査のみ高次の医療機関に紹介している(その後の治療は当院で実施可)
- 睡眠時無呼吸に対するCPAP療法を行っていない
- WISC,WAISなどの精神科の代表的な心理検査は、院内で心理士が行う場合と、外部連携機関で実施する場合とで振り分けている
- 特殊な心理検査や、心理士による治療(ADOS、PCITなど)は行っていない
- 認知行動療法、発達障害における集団でのSST(ソーシャルスキルトレーニング)や、アルコール・ギャンブル・インターネットゲーム依存の集団精神療法、トラウマに対する専門のプログラムなどを有していない
- カウンセリングの実施自体を制限している
- 向精神薬の注射剤を使用していない
②不安(恐怖)症、強迫性障害などの神経症圏、トラウマ疾患 摂食障害、パーソナリティ障害などに関して、特化とした心理療法、カウンセリングは行っていないこと
③時間帯によっては(予約していても)待ち時間が発生していること(土曜の終日、平日の夕方など)
などが挙げられます。
①に関連して、「すべての検査を一つの医療機関で行いたい方」「医師の診療時間枠のみのご相談では不足で、より特化したカウンセリングや、プログラムを受けたい方」「睡眠時無呼吸と既に診断がついていてCPAP治療を希望する方」「向精神薬の注射薬を使用中の方」は、機能の充実した他の医療機関を受診されることをお勧めいたします。なお血液検査は当院で実施可能です。
②に関連するご病気が疑われる場合も、当院に受診いただくことは可能です。(ご自身では判断がつかない場合も当然あると思います。)但し、当院で専門的な心理療法を実施しているわけではありませんので、既に診断がはっきりしており、専門的治療を希望される場合は、該当する医療機関に受診いただくことをお勧めいたします。
③に関連して、患者様には大変ご迷惑をおかけしております。患者様のお話をできるだけお聞きしたいという思いは開院当初より変わりませんが、苦渋の決断として、診療時間枠の目安を設定(再診5〜10分)することにいたしました。「1か月に1度の診療だと話すことが多すぎる。もっと話を聴いてほしい…」というかたは、3週に1度、2週に1度という形で周期を短くして、都度肩の荷を下ろしていただければと思います。またご相談内容によっては、診察にお呼びする順番を前後させていただいております。診療時間が長く必要な方は、待ち時間が長くなる場合があります。心身お辛い中誠に恐縮ですが、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。今後も、待ち時間短縮と院内混雑緩和に向けて継続的に努力を行っていまいりますが、(特に土曜や平日の16時以降しかお越しになれない方で)待つことが極端に苦手という方は受診をご遠慮いただければと思います。