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ADHD・ADD

ADHD(注意欠陥多動性障害)・ADD(注意欠如障害)とは

ADHD(注意欠陥多動性障害、注意欠如多動性障害、注意欠陥多動症、注意欠如多動症)は、不注意多動衝動性の3つの症状によって定義されます。これら3つの特徴がすべてそろっていなくてもADHDと診断され、たとえば不注意傾向のみ認める方を不注意型ADHDなどと呼ぶこともあります。ADD(注意欠陥障害・注意欠如障害)とは、かつてのADHDの呼び方ですが、多動性がみられない方をADDとよぶことがあります。

ADHD(注意欠陥多動性障害)・ADD(注意欠如障害)の心理検査とは

  • 知的・認知的側面をはかる検査

WISC-Ⅳ(WAIS-Ⅳ)、KABC-Ⅱなど

  • 情緒的側面をはかる検査

描画テスト、文章完成法、PFスタディ、TATなど

ADHD(注意欠陥多動性障害)・ADD(注意欠如障害)と間違えられやすい病気とは

  • 自閉症スペクトラム障害(自閉スペクトラム症;ASD、アスペルガー障害)

こだわりの強さ、対人相互性の低発達で特徴的な発達障害のひとつである自閉症スペクトラム障害(以下ASDと略)も、不注意、多動、衝動性を認めることは多い。また反対にADHDの衝動性や不注意による人とのトラブルがASDの社会性の障害と誤解されやすいことから、鑑別に注意が必要です。

  • 脱抑制型対人交流障害(アタッチメント障害)

乳幼児期に逆境的養育環境で過ごしたこどもには衝動性の亢進、多動性をみとめることがあります。

  • いろいろな身体疾患

てんかん、脳腫瘍、もやもや病、亜急性硬化性全脳炎、福神白質変性症、結節性硬化症などの中枢神経疾患や、甲状腺機能亢進症、アトピー性皮膚炎、軽度聴覚障害などの身体疾患の症状で、不注意、多動、衝動性ととらえられることがあります。

ADHD(注意欠陥多動性障害)・ADD(注意欠如障害)と合併しやすい病気は

  • 行動障害群 反抗挑戦症 素行症 少年犯罪
  • 情緒障害群 不安症群、強迫症および関連症群、抑うつ障害群、双極性障害および関連障害
  • 神経性習癖群 排泄障害
  • 神経発達症群 ASD 知的能力障害 限局性学習症 発達性協調運動症 チック症群(トゥレット症など)
  • 睡眠障害 
  • パーソナリティ障害

ADHDの診断説明(病名告知)のタイミングは 

診断説明(病名告知)のタイミングに関しては、早ければ早いほど良く4、5歳でも行うべきだという意見もあれば、トラブルが起こり、困難がおこるまで待つべきだという意見もあります。明確に自分の意思で来院された患者さんに対しては、原則的に告知を行うべきですが、支援者に促され(消極的動機で)来院された患者さん(特に小学生以下のお子さん)に対しては、ご本人が診断説明(病名告知)を受け入れる準備ができるまで支援者の方と相談し、すぐに診断説明(病名告知)を行わないことがあります。

ご本人が、診断説明(病名告知)を受け入れる準備ができているかどうかは、下のような点で判断します。

  • 自分が周りと違っているようだと気づきがある
  • 説明を理解する言語的理解力がある
  • 診断がついたことを誰彼かまわず話してしまわない(話す相手を判断する)力がある
  • 大きな環境変化の直前でない

ADHD(注意欠陥多動性障害)・ADD(注意欠如障害)の治療は

環境調整

しんどさが生じている場(学校、職場、家庭など)の環境としての側面についてその特徴をよく知り、関連機関と連携し、ADHDの方の適応を手助けできる環境へと修正することです。例えば部屋の中にあるものを減らし、注意が散漫になりにくくしたり、教室(職場)での座席の位置を配慮してもらいます。また、教師、上司、親など周囲の方に、ADHDの方への指示の出し方を、できるだけ具体的で簡潔なことばにしてもらったり、あるいは作業の工程表を作ってもらい、視覚的に作業の順序が理解できるようにするよう工夫してもらうこともあります。

支援者(養育者・パートナーなどなど)への心理社会的治療・支持的精神療法

毎診察時に、対応に悩んでいる養育者・パートナーの思いに耳を傾けさせていただき、支援者の努力を労うと共に、困った行動についての対処法を検討します。患者さんが子どもの場合、親が、対応の難しい行動をより合理的に管理し、子どもの自尊心を向上させ、前向きな姿勢を引き出すためのスキルを学ぶ「ペアレント・トレーニング」を行う場合もあります。

本人への心理社会的治療・支持的精神療法

本人の苦労、困った点について耳を傾けさせていただき、良い点や努力している点について賞賛の声かけをするとともに、失敗ややりすぎについて穏やかに話題にし、より良い対処法を検討します。

薬物治療

メチルフェニデート徐放錠(商品名コンサータ)

英国国立医療評価機構(NICE)ガイドラインで第一選択薬とされており、我が国でも第一選択薬の一つに位置付けられていますが、かつてメチルフェニデート(特に商品名リタリン)で乱用された歴史があり、適正流通管理委員会に登録された医療機関でのみ取り扱いが可能です。本剤は副作用に不眠、食欲不振、血圧上昇、頭痛、腹痛、悪心などがありますが、通常は対症療法、用量調節で対応できます。

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