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睡眠塾(Osaka Sleep Health Network主催)に参加します。

[2020.12.05]

本日と明日2日間にわたり、パソナの本社移転先として一躍有名になった淡路島の淡路夢舞台国際会議場で、NPO法人Osaka Sleep Health Networkが主催の睡眠塾に参加してきます!睡眠医学の共通言語であるPSG(終夜睡眠ポリソムノグラフィー)について学ぶ会です。睡眠医療の著名な先生方が全国からお越しになるので楽しみです。睡眠に関わる医師でもPSG検査は検査技師さんに頼りっぱなしになりがちですが、日進月歩の睡眠医学で、少しでも診療で還元できるように頑張ります。

 

1日目を終えて学んだこと備忘録

軽症から中等症の睡眠時無呼吸症候群の治療について

・睡眠時無呼吸症候群では、AHI(無呼吸低呼吸指数)が20以上の中等症から重症の場合、CPAPが絶対適応ですが、軽症から中等症では、有効な治療選択肢が少ないのが現状です。OA(口腔内装置)、体位変換療法(ポジションセラピー)、MFT(口腔筋機能療法)などが選択肢となります。体位変換療法ではテニスボールを利用する原始的な方法から、ソムニベルという額につける商品を利用する方法などがあります。またMFTでは、Snoozealというアプリを連動した商品があります。(下肢のリハビリで用いる電気刺激を応用し、舌の筋を鍛え舌根沈下を減らすという手法だそうです。)しかし、これらの機器ははまだまだ保健適用されるほどのエビデンスには乏しいかもしれません。軽症や中等症であっても糖尿病や高血圧などの生活習慣病のリスクが2倍程度上がると言われており、早くより確立された治療法がでてくればよいなと思いました。

CPAPのマスクの選択の仕方について

CPAPのマスクの形状は多様な選択肢があります。どのようなマスクがその方に合うかどうかは、以下の要素で決定します。

・顔の形(特に鼻の横幅、高さ)、顔の大きさ、鼻の通りやすさ(鼻炎の有無など)、寝るときの姿勢、よく寝返りを打つかどうか、閉所恐怖でないか

最初に選んだマスクがうまくいかない場合にはこれらの要素を踏まえて、次の手を考えます。

悪夢の治療について

睡眠外来をしていて、どのような悩み事が難しいか(治療に苦労するか)と考えたときに、私は「悪夢」という悩みごとが挙げられると思います。多くの場合、沢山のベンゾジアゼピン系をはじめとした薬を内服されている方が多く、それらの整理から始めるのが通常です。その他に深睡眠を増やすといわれる抗鬱薬を使用することが多いです。

ナルコレプシーの悪夢の治療の場合は、REM睡眠を抑制することが有効です。副作用が多く抗うつ薬としては今は使われることが減っている、三環系抗うつ薬のクロミプラミンが著効することが多いです。副作用を気にしながらどの程度の用量で用いるかが腕の見せ所です。その他、デュロキセチン、アトモキセチンなども効果があることがあります

甘麦大棗湯はnon-REM睡眠の悪夢に有効なことがあります。

2日目を終えて学んだこと備忘録

レム睡眠行動障害(RBD)という、夜間の異常行動を伴う疾患があります。レム睡眠中に夢の中の行動を現実でしてしまう(例えば叫ぶ、殴る、腕を空中で揺り動かす、あるいは疾走動作)病気です。しかし、睡眠中の寝言や行動があるからといって直ちにRBDだ!と断言してしまうことは危険です。

鑑別診断として、以下のようなものがあります。

・Non REM パラソムニア… ノンレム睡眠中の随伴症が起きる

・睡眠関連てんかん

・睡眠時無呼吸症候群(またはその合併)…睡眠時無呼吸症候群の治療で異常行動が消失する場合がある。

・睡眠関連律動性運動異常症

・解離性障害 PTSDなどの精神疾患

睡眠関連食行動異常症、睡眠関連てんかん、睡眠関連うなり

→疾患のページを作る予定です。

 

Overlap Syndrome (OSA+COPD)

 

 

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